ニュージーランドの高校の教育制度

1. ニュージーランドの教育制度

ニュージーランドの教育機関では私費留学生の受け入れを行っており、過半数に及ぶニュージーランドの中・高等学校が海外からの学生に対する受け入れ体制を整えています。ニュージーランドには教育機関として大学、ポリテクニック(国立高等専門学校)、教員養成学校、初等および中等教育機関(Primary School and Secondary School)があります。また私立高等教育および訓練機関、語学学校のあります。
ニュージーランドでは小学校(Primary School)から中・高等学校(Secondary School)のYear 11までの10年間が義務教育期間です。

中等教育

ニュージーランドの中・高等学校は約400校あり、ハイスクール、グラマースクール、またはカレッジと呼ばれ、多様なカリキュラムを持っており、96%の学校が国立校です。通常、男女共学ですが、約10%は男子校または女子校です。
2月から12月までが一つの学年で(12月から1月は休暇)、4学期制を採っており4月、7月、9月にそれぞれ2週間の休暇期間があります。
一般に2月あるいは3月に学生を入学させますが、多くの留学生は本科に入る前に英語準備クラスに入学します。
日本の中学1年生にあたるYear 9からYear 13まで5年間の一貫教育が行なわれ、Year 13を修了し、統一試験を受けて大学入学資格を得ます。入学資格、教育課程、教育水準は私立、国立とも大きな差はなく、統一修了資格試験に沿った教育が行われています。
(教育省がFormからYear制へ移行した結果、現状はYear制を使用しています。)
ニュージーランドではYear 11の学年末にNZ教育省の定めるNCEA(National Certificate of Educational Achievement)Level 1と呼ばれる最初の公的統一試験があり、これで中学卒業資格を取得します。Year 12への進級は、この試験結果によって可能となります。このYear 12の学年末には最大6科目の成績に基づき、Year 12の修了証書 Level 2(旧 Sixth Form Certificate)が出されます。これは公的試験ではなく内部評価によるものです。最終学年であるYear 13の学年末には大学の入学資格を得るための公的試験であるLevel 3 (*旧Bursary)を受験することになります。ニュージーランドの中・高等学校に留学し、引き続きニュージーランドの大学に入学を希望する留学生は、自国生と同様にこの試験を受け、資格を取得しなければ大学に入ることはできません。

高等教育

ニュージーランドの高等教育機関には8つの大学と、ポリテクニックやインスティテュート・オブ・テクノロジーと呼ばれる国立高等専門学校が23校、教員養成専門の国立教員養成学校が6校(大学学部として2校、専門課程として4校)あり、どれも政府から資金を得ており、自主管理運営されています。
近年では私立高等教育機関も多く設立されています。大学は学部課程と大学院課程に分かれており、 一般に Year 13を修了し、18歳から19歳で大学に入学します。ポリテクニックは日本の専門学校や短大に類似した機関で、学術、職業訓練の両方のプログラムを提供しています。また、最近では大学と同等の学位を取得できるポリテクニックも増えています。

語学能力について

詳細は各学校により異なりますが、大学では、最低でもTOEFL(Test of English as a Foreign Language)213~250点(ペーパーテスト=550~600点)あるいは、IELTS(International English Language Testing System) 6.0~6.5の英語力を要求しており、高等学校でも求められる語学能力はTOEFLやIELTSなどの結果を提出することでどの程度の語学力があるかの判断の目安とされるでしょう。
ニュージーランドでは、留学生の英語力をアップさせる目的で、入学準備コースや、TOEFL、IELTS試験の準備コースを設けている学校があります。また、留学先の中・高等学校が通常授業以外の特別英語集中コース、補習コースなど併設している場合もあります。TOEFL、IELTSなどは日本でも受けられますから、挑戦して自分で納得できる結果を提出することをこころがけましょう。正規の授業に入る前に少しでも現地で語学力のレベルをあげることも必要でしょう。

入学手続き

日本人の高校生がニュージーランドの中・高等学校へ留学するには、通常はYear 11~13に入学しますが、個人の英語力や年齢、これまでの母国での履修単位や成績を考慮して入学する学年が決定されます。留学する形態によってその進め方が大きく分けて2種類あります。

A. 交換留学

交換留学プログラムは、 約1年間、ニュージーランドの家庭に家族の一員としてホームステイし、地域の学校(多くの場合公立校)に通学する制度です。この制度で留学するには、交換留学プログラムを実施している団体の選考試験を受け、合格した場合には、ニュージーランドの新学期に合わせて、翌年の1月上旬に出発し、12月ごろ帰国します。団体によってプログラムの主旨や募集条件が多少異なりますが、留学生がニュージーランドの国民との交流を通して、異なった文化に対する理解を深めることなどがこの制度の目的です。各団体がそれぞれ応募条件、募集要項などを定めて、選考から、オリエンテーション、学校選定、出発手続きなどまでを行います。交換留学生として留学した場合、滞在中はこの団体のサポートを受けながら生活します。

B. 私費留学

私費留学の場合には、自ら学校を選択し、学校に入学許可をもらい、ビザを申請して渡航手続きを進めます。
中・高校生のニュージーランドへの留学では、ホームステイが主流の交換留学と同じように、私費留学の場合でも寮に入るよりもホームステイするケースが多い傾向があります。

2.ニュージーランド留学の費用概算

ニュージーランドの中・高等学校に留学するための授業料は教育機関によって異なりますが、一般的な目安として、中・高等学校に私費留学する場合には、授業料は年間平均でNZ$13,000くらいかかります。
登録費、オリエンテーション費用、授業料、教科書代などが含まれます。他に滞在費用として、ホームステイの費用は週におよそNZ$180で、管理費として一回のみ約NZ$150かかります。
寮がある学校もありますが、その場合には、週約NZ$ 200かかり、寝具などは供給、学生食堂やリクレーションルームがあるところも多いようです。また、個人でアパートに住む場合には、家具なしが多く、電気、ガス、電話、水道代などの諸費用は自己負担になりますが、家賃は週NZ$170くらいを予定しておくといいでしょう。その他に小遣い、学校の長期休暇の際に帰国する場合などには運賃などをも考えに入れておく必要があるでしょう。

3.ニュージーランド留学の特徴

すばらしい自然環境で頭と体を鍛える学習

 ニュージーランドへの留学生の数は年々増加しています。この背景には治安がよく自然に恵まれた環境で、なおかつ日本人が少ないため、英語力アップには絶好の場所であるということが挙られます。またイギリスに似た教育制度のもと、きめ細やかな質の高い教育がなされ、英語もイギリス英語が主流のため、クイーンズイングリッシュがマスターできることも人気の理由の一つです。
勉強だけでなく、恵まれた自然環境を生かして、どこの学校でもアクティビティーを授業や放課後の活動に取り入れている。ニュージーランドの国技であるラグビー、カヌー、クリケット、乗馬、スキー、ヨット、トレッキングなど、ニュージーランドならではのスポーツを満喫できるチャンスがあちらこちらにありまたニュージーランドの原住民であるマオリ族の言語や歴史・文化を学ぶことができるのも特徴です。
イギリスの伝統がたくさん残っているニュージーランドの学校の多くは、公立でも私立でも制服がある。男子はネクタイにスーツ、女子はチェックのスカートにブレザーが一般的です。新設の学校では制服のないところもありますね。(最終学年の学生のみ私服の学校というのもあります。)

義務教育後は大学進学を目標とした厳しい授業

 南半球の国、ニュージーランドの新学期はオーストラリア同様1月から始まり、そして12月で学年が終わる。教育制度もYear1(1年生)からYear13(13年生)までの学年制を採用しています。義務教育はYear1~8(5~12歳)までの初等教育と、Year9~11(13~15歳)までの中等教育とを合わせた11年間になります。初等教育は、一般にプライマリー・スクールと呼ばれている。中等教育のセカンダリー・スクール期間中のYear11~13では、各学年の修了時にそれぞれ統一試験が行われ、この結果が進級、進学に大きく影響を与えます。特に最終学年であるYear13では、大学やポリテクニックと呼ばれる大学レベルの職業専門学校への進学を目的とする厳しい授業が中心となり、修了時にはバーサリーと呼ばれる大学資格試験を受験することになり、この試験の結果を基に進学先が決まります。

私費留学でホームステイの場合も多くあります。

ニュージーランドには公立・私立合わせて約400校のの高校があり、その内約半数が留学生を受け入れています。受入校では留学生用のカウンセラーをおいたり、国籍が偏らないよう考慮したりなど、きめ細かい配慮がなされています。。滞在方法はホームステイか寮で、交換留学の場合はホームステイになります。私費留学の場合は寮がある学校では寮生活を、ない学校では学校の紹介などによりホームステイ生活を送ることになります。
 私立校の入学は、成績証明書と在学中の学校からの推薦状、英語力などから合否が判断される。英語力が足りないと判断された生徒は、入学後集中英語研修や補習クラスを受講することを条件に入学が許可される場合があります。ただニュージーランドの生徒にとってもたいへんな時期であるYear11~13の授業についていくのには、相当勉強しなければならないのが実情。現実的には、ひとつ下の学年に入学したほうが、学力の面でも英語力の面でも無理なく授業についていける場合が多いといえます。
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